1960年
貿易の自由化が認められ、外圧の風を受けるが、これは同時に、日本の技術力を、世界トップレベルに磨き上げる契機となった。大規模の電源開発等が行われ、大型機械の開発が加速した。
日本におけるホイールローダーの歴史は比較的新しく、1949年に日本輸送機によりSDA25(2輪駆動)が試作されたものに端を発する。
1965年、コマツと米国インターナショナル・ハーベスタ社(IH社)との合弁会社「小松インターナショナル製造(株)」が、IH社の子会社であるフランク・G・ハフ社(のちにIHが吸収)と技術提携をし、4輪駆動ホイールローダーの製造を開始した。
ペイローダーというのはハフ社の商品名で、そのままコマツの販売にも使用した。当時はホイールローダーの代名詞として浸透した。
当時、日本における四輪駆動ホイールローダーは、バケット容量1.4m3級が中心だった。コマツでは、1.0m3の二輪駆動ショベルローダーSD20の実績があったため、IH社のH30B(バケット容量1.0m3)を、「JH30B」として国産化することになった。
JH30Bは、1.4m3級に対して価格は安いのに、掘削作業性は同等であるため、売れ行きは急速に伸びた。1976年に、IH社と共同設計の「510」(H30Bはリジットフレーム式だが、510はアーティキュレートステアリング式)としてモデルチェンジするまで生産販売された。
ホイールローダー
日本においてホイールローダーが初めて製造されたのは1949年にさかのぼるが、コマツがインターナショバルハーベスタ社と提携しホイールローダー市場に参入したのは1960年代なかばである。提携初期時代のJHシリーズ、続く500シリーズ、そしてコマツグループのオリジナルであるWAシリーズと時代を経て、機械の大型化、環境への配慮、そしてメカトロやITといった高度技術の応用など、それぞれの現場ニーズに応えてきた。