2000年
IT革命は建設機械の技術にも色濃く影響を及ぼす。90年代に開発された、衛星を活用した稼働管理システムは、遠隔地から機械を監視・管理する手段として、標準装備されるようになる。
電気駆動式の超大型ダンプトラックのシリーズに、新たに860Eを追加した。
ドイツのシーメンス社と新しい電気駆動システムの共同開発を進めてきたが、860Eはこのシーメンス製の電気コンポーネントを搭載する初めてのモデルとなる。共同開発した装置は、発電機とACモーター、インバーター、減速ギアなどで構成され、シーメンスの先端技術が織り込まれた電気コンポーネントと、コマツが開発・製造した減速ギアなど機械コンポーネントの融合により、高い品質と信頼性を実現した。
860Eには、トロリーシステムのオプションも用意。トロリーシステムとは、ダンプトラックに取り付けられたパンタグラフにより、鉱山の走路上に張られた架線から取った電気を動力としてACモーターを駆動し走行するシステムで、高い登坂性能が得られる。またトロリーシステムでは、エンジンで発電した電気の代わりに鉱山で自家発電した電力を使うことで、エンジン寿命の大幅延長と燃料代の低減が可能である。
860Eは、コマツアメリカで開発設計し、同社ピオリア工場(イリノイ州)で生産する。
積載量254,000kg。
ダンプトラック
運搬車であるダンプトラックの歴史は、現場での生産量を上げるため、積載量大型 化の歴史でもある。特に鉱山現場では、機械式・電気式での大型化競争に加え、GPSによる管理システム導入など、21世紀を迎えた今日も、その技術は日々進化しつづけている。