1930~1940年
戦前、農地開発へのニーズからトラクターの生産が始まり、対戦中は、空港施設などにおける建設の機械化が求められた。ブルドーザーの誕生により、わが国における本格的な建設機械の歴史が始まる。
この時代は、トイ車を大型化し統制型V8エンジンを搭載したトヘ車、統制型空冷式ディーゼルエンジン搭載のトロ車、グライダーによる空輸を考え軽量化を狙ったG25ブルドーザーなどが考案されたが、いずれも量産されないまま、終戦を迎えることになる。
このトロ車は、現場での生産効率向上のために、作業速度が遅くても、土工量の増大が求められる中、本格的な型式のブルドーザーとして試作されたもの。これが、のちに開発されるD50ブルドーザーの原型となる。
重量6000kg。
ブルドーザー
初期のブルドーザーは、農業用のトラクターに、ブレード(排土板)を取りつけたものだった。戦後の開発、高度成長期における大規模工事など、日本の躍進の歴史はブルドーザーの歴史とも言えよう。油圧ショベルの台頭で、国内における需要は減少したものの、大規模鉱山を初めとした世界中の過酷な現場で、今日も高い技術が息づいている。