ケンキミュージアム

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1960年 読む

 貿易の自由化が認められ、外圧の風を受けるが、これは同時に、日本の技術力を、世界トップレベルに磨き上げる契機となった。大規模の電源開発等が行われ、大型機械の開発が加速した。

コマツ ホイールローダー JH65C ペイローダー
(1967年)

コマツ ホイールローダー JH65C ペイローダー

 アーティキュレートステアリング式ホイールローダーの誕生である。前方車体が左右34度に旋回可能なため、狭所作業性に優れ、軟弱地でも強い威力を発揮した。これまでの国内マーケットにはない強力な掘削力があるため、ドーザショベルに取って代わることができるものとして、砕石や川砂利(当時は採取が行われていた)の現場に急速に導入された。

 バケット容量1.9m3。

コマツ ホイールローダー JH65C ペイローダー

 現在のホイールローダーと異なり、これらのペイローダーは、運転席がフロントフレームに付いている。つまりオペレーターの後ろに、アーティキュレートの関節部分が来るので、オペレーターは常に作業機と同じ方向を向くことになる。これはIH社の特許で、当初は視界が良く作業がしやすいと言われたが、一方で運転席へのバケットの衝撃が強い、旋回時における運転席の左右への振られ方が大きいなどの問題が指摘されていた。

 結局、マーケットでは少数派であったものの、IH社との関係から、合弁が解消するまで設計変更は行われなかった。

ホイールローダー 読む

 日本においてホイールローダーが初めて製造されたのは1949年にさかのぼるが、コマツがインターナショバルハーベスタ社と提携しホイールローダー市場に参入したのは1960年代なかばである。提携初期時代のJHシリーズ、続く500シリーズ、そしてコマツグループのオリジナルであるWAシリーズと時代を経て、機械の大型化、環境への配慮、そしてメカトロやITといった高度技術の応用など、それぞれの現場ニーズに応えてきた。

ケンキミュージアム 日本のブルドーザーの歩み
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