ケンキミュージアム

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2000年 読む

 IT革命は建設機械の技術にも色濃く影響を及ぼす。90年代に開発された、衛星を活用した稼働管理システムは、遠隔地から機械を監視・管理する手段として、標準装備されるようになる。

コマツ 後方小旋回油圧ショベル PC228US
(2000年)

コマツ 後方小旋回油圧ショベル PC228US

 後方小旋回ショベルは、管工事や道路工事などの狭所での作業だけでなく、一般的な土木作業においても、旋回による巻き込み事故の防止といった安全面や、後方を気にしなくてもよい運転のしやすさから、日本だけでなく欧米でも高い評価を得てきた。国内のみならず、グローバル標準として位置付け、戦略機種として開発された。

 重量21800kg、バケット容量0.8m3。

コマツ 後方小旋回油圧ショベル PC228US

 後方小旋回や超小旋回は、コンパクトな設計であるが故に、機械の安定性、居住性、作業性能の面では、標準機に劣ってしまうのが普通であった。しかしこのPC228USでは、比重の重い鋳鉄製のカウンタウエイトの採用で、抜群の安定性を確保。先進油圧システムで、当時の標準機(PC200-6)と比較しても、作業性能・けん引力とも、10%パワーアップを図った。

 2003年の日本、北米、欧州の排気ガス2次規制にも適応、CO2排出率の低いエコモードの設定や、リサイクル率99%の実現など、地球環境にも配慮した機種となっている。

油圧ショベル 読む

 1951年にこの世に誕生した油圧ショベルは、わずか半世紀の間で、建設現場における絶対的な地位を築いた。ミニから超大型と、規模に応じたサイズのラインアップ、また後方小旋回や超小旋回など、現場の特性に合わせたスタイルなど、その間も確実に進化を遂げてきた。人間の手に似た動きをするこの機械は、21世紀も、限りなく進化を続けていくことになるだろう。

ケンキミュージアム 日本のブルドーザーの歩み
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